diff --git a/source/explanations/screen-reader-check-macos-voiceover.rst b/source/explanations/screen-reader-check-macos-voiceover.rst new file mode 100644 index 00000000..0e24ad56 --- /dev/null +++ b/source/explanations/screen-reader-check-macos-voiceover.rst @@ -0,0 +1,270 @@ +.. _exp-screen-reader-check-macos-vo: + +########################################## +macOSのVoiceOverを用いたチェックの実施方法 +########################################## + +macOS用スクリーン・リーダーのVoiceOverの推奨設定の方法、基本的な使い方と基本的なチェックの実施方法について記します。 + +なお、iOSにも同名のスクリーン・リーダーが標準搭載されていますが [#]_ 、macOSのVoiceOverとはまったくの別物です。 +本稿ではmacOSのVoiceOverについてのみ記し、「VoiceOver」という記述はmacOS VoiceOverを差します。 + +本稿のキー操作の説明では、 :kbd:`VO + →` のような表記をしていますが、これは :ref:`macos-vo-vokey` の項で説明する「VoiceOverキー」を押しながら :kbd:`→` を押すことを意味します。 +また、 :kbd:`F1` ~ :kbd:`F12` は、キーボード上部のファンクションキーのことですが、設定によっては :kbd:`FN` キーを押しながら押下する必要がある点に注意が必要です。 + +.. [#] :ref:`exp-screen-reader-check-ios-voiceover` + +***************************************** +macOS VoiceOverを用いたチェックの位置づけ +***************************************** + +:ref:`exp-screen-reader-check-nvda` にもあるように、freeeでは、スクリーン・リーダーを用いて行う必要があるチェックについては、Windows上のNVDAとGoogle Chromeのそれぞれ最新版を標準環境としています。 +これは、日本においてはスクリーン・リーダーのユーザーの大半がWindowsを利用していて [#]_ 、これらのユーザーが確実に使えるようにすることが重要であると考えているためです。 + +しかし、すべてのチェックについてNVDAでなければ実施できないというわけではなく、macOSのVoiceOverでも実施可能なチェックもあります。 +最終的なチェックにはNVDAを用いることを推奨しますが、開発中に実施するチェックのうち、以下のような場合はmacOS VoiceOverを用いても問題ありません。 + +* すでにNVDAでの挙動に問題がないことが確認されている既存のコンポーネントの動作確認 +* 静的なHTMLで実装されている箇所の動作確認 + +一方、新たに実装するコンポーネントについては、開発の早い段階からNVDAによる動作確認を実施することを強く推奨します。 + +.. [#] `第3回支援技術利用状況調査報告書 `_ + +******** +事前準備 +******** + +VoiceOverの起動と終了 +===================== + +VoiceOverの起動と終了は、以下のいずれかの方法で行うことができます。 + +1. :kbd:`Command + F5` キーの押下 +2. :kbd:`Command` キーを押しながらTouch IDを3回連続で素早く押す +3. Siriに「ボイスオーバーをオンにする」(起動)または「ボイスオーバーをオフにする」(終了)と話しかける + +上記1.と2.の操作は、VoiceOverが起動していないときに実行することでVoiceOverを起動し、VoiceOverが起動しているときに実行することでVoiceOverを終了します。 + +初回起動時の操作 +================ + +VoiceOverを初めて起動したときは、以下のような「ようこそダイアログ」が表示され、画面の内容を読み上げる音声が再生されます。 + +.. image:: /img/macvo-welcome-dialog.png + :alt: スクリーン・ショット:VoiceOverのようこそダイアログ + +このダイアログからVoiceOver Quick Startにアクセスすることができますが、この時点では :kbd:`V` キーを押してこの画面を閉じます。 +なお、VoiceOver Quick Startは、初めてVoiceOverを使用する視覚障害者がVoiceOverの使い方を独習できるように提供されているものです。 +VoiceOver起動中に :kbd:`VO + Command + F8` を押下することでいつでも起動することができます。 +VoiceOverの操作方法についてより深く理解したい場合などには参考になりますので、活用すると良いでしょう。 + +推奨設定 +======== + +VoiceOver動作中に :kbd:`VO + F8` を押下すると、VoiceOverユーティリティが起動し、VoiceOverの様々な設定を変更することができます。 +この画面では、左側に設定のカテゴリーが表示され、右側に現在選択されているカテゴリーの設定項目が表示されます。 + +この項では、アクセシビリティー・チェックの実施に当たって推奨する設定を、カテゴリーごとに示します。 + +一般 +---- + +.. image:: /img/macvo-util-general.png + :alt: スクリーン・ショット:VoiceOverユーティリティ(「一般」を選択) + +「VoiceOver起動時にようこそダイアログを表示」のチェックを外します。 +これにより、前述のようこそダイアログの表示を抑制することができます。 + +ビジュアル +---------- + +.. image:: /img/macvo-util-visual.png + :alt: スクリーン・ショット:VoiceOverユーティリティ(「ビジュアル」を選択) + +「パネルとメニュー」タブの「キャプションパネルを表示」にチェックを入れます。 +これにより、VoiceOverの読み上げ内容が画面上に表示されるようになります。 + +コマンダー +---------- + +.. image:: /img/macvo-util-commander-trackpad.png + :alt: スクリーン・ショット:VoiceOverユーティリティ(「コマンダー」の「トラックパッドコマンダー」タブを選択) + +「トラックパッドコマンダー」タブの「トラックパッドコマンダーを有効にする」のチェックを外します。 +この項目にチェックが入っていると、トラックパッドをVoiceOverの操作に用いることができるようになり、通常のマウス操作ができなくなります。 + +.. image:: /img/macvo-util-commander-quicknav.png + :alt: スクリーン・ショット:VoiceOverユーティリティ(「コマンダー」の「クイックナビ」タブを選択) + +「クイックナビ」タブの「クイックナビを有効にする」のチェックを外します。 +この項目がチェックされていると、VOキーを使わずにできる操作が増えます。 +日常的にVoiceOverを利用しているユーザーにとっては便利な設定ですが、VoiceOverを利用したアクセシビリティー・チェックを実施する場合には、誤ってこのモードを有効にしてしまった場合などに混乱を招くことも考えられますので、この設定を無効にしておくことを推奨します。 + +************************ +最低限知っておきたいこと +************************ + +.. _macos-vo-vokey: + +VoiceOverキー( :kbd:`VO` キー)と :kbd:`VO` キー・ロック +========================================================= + +VoiceOver起動中は、特定のキーを押しながら他のキーを押下することで、VoiceOverの機能を利用することができます。 +これを「VoiceOverキー( :kbd:`VO` キー)」と呼びます。 +初期設定では、 :kbd:`Control + Option` キーの組み合わせ、または :kbd:`Caps Lock` キー の両方がVoiceOverキーとして設定されています。 + +なお、 :kbd:`VO + ;` を押下すると、 :kbd:`VO` キーを押してロックした状態になります。 +この状態では、VoiceOverに関する様々なキー操作を :kbd:`VO` キーを押さずに実行できるようになりますが、あらゆるキー操作が普段とは異なる挙動になるため注意が必要です。 +例えば、この状態では :kbd:`Command + F5` を押下しても、 :kbd:`VO + Command + F5` を押下したことになり、VoiceOverを終了することはできません。 + +キー操作が期待通りの挙動にならない場合は、 :kbd:`VO` キーがロックされた状態になっている可能性も考えられます。 +この場合は、 :kbd:`VO + ;` を再度押下してロックを解除してください。 + +VoiceOverカーソルとキーボード・フォーカス +========================================= + +VoiceOverが有効になっていると、VoiceOverカーソルと呼ばれる濃い矩形の枠が画面上に表示されます。 +VoiceOverカーソルが移動すると、移動した先に表示されているものが読み上げられることに加えて、そこにあるものが操作対象になります。 + +初期設定では、VoiceOverカーソルとキーボード・フォーカスやカーソルは同期するようになっていて、基本的に同じ場所にあります。 +しかし、これらは実際には独立したもので、必ずしも常に同じ場所にあるわけではない点に注意が必要です。 + +同様に、VoiceOverカーソルとマウス・ポインターも独立したものです。 +初期設定ではこれらは独立して動くようになっていますが、これも設定によって挙動が変わります。 + +VoiceOverカーソルの移動 +======================= + +VoiceOverカーソルは、 :kbd:`VO` キーを押しながら矢印キーを押下することで移動することができます。 +多くの場合、 :kbd:`VO + →` による右方向への移動を用いて、画面上の表示内容を読み進め、 :kbd:`VO + ←` による左方向への移動を用いて少し戻って読み直す、というような使い方をします。 + +前述のように、VoiceOverカーソルがある場所にあるものは、操作対象になります。 +例えば、リンク上にVoiceOverカーソルがある場合、 :kbd:`VO + Spc` を押下することで、そのリンクをクリックしたのと同じ結果を得られます。 +VoiceOverカーソルが何らかの操作ができるものの上にある場合、しばらくすると具体的な操作方法が音声で読み上げられます。 + +なお、 :kbd:`VO` キーを押さずに矢印キーを押したときの挙動は、VoiceOverが起動していない場合と同じで、カーソルが移動します。 +このとき、設定によってVoiceOverカーソルが追従する場合と追従しない場合があります。 + +項目の操作 +========== + +テキスト・コンテンツ上で :kbd:`VO + →` と :kbd:`VO + ←` でVoiceOverカーソルを移動する場合、センテンス単位など、ある程度まとまったテキストを単位とした移動が行われます。 +ところが、場合によってはその移動の単位がウィンドウの構成要素の単位など、もっと大きな単位になる場合があります。 + +例えば、Google ChromeのツールバーにVoiceOverカーソルがある状態でVoiceOverカーソルを右方向へ移動していくと、表示されているページのコンテンツに差し掛かったところで「Webコンテンツ」とだけ読み上げるような状態になります。 +これは、ページを表示している部分をVoiceOverが1つの要素として解釈しているためです。 + +このような場合、いわばその要素の中にVoiceOverカーソルを入れて、内部を探索するような形で読み上げる必要があります。 +これを行うためのキー操作が、 :kbd:`VO + Shift + ↓` です。 + +上のGoogle Chromeの例の場合、「Webコンテンツ」と言われた所で :kbd:`VO + Shift + ↓` を押下することで、ページのコンテンツを表示している部分にVoiceOverカーソルを入れることができます。 +この状態で、 :kbd:`VO + →` と :kbd:`VO + ←` を用いることで、ページの内容を確認することができます。 +さらに、ページ中の表や箇条書きなどがひとまとまりの要素として解釈されている場合もあり、こういった場合にも :kbd:`VO + Shift + ↓` を用いることで、その要素の中にVoiceOverカーソルを入れることができます。 + +VoiceOverカーソルを現在の要素の外に出すときには、 :kbd:`VO + Shift + ↑` を用います。 + +ローター +======== + +VoiceOver起動中に :kbd:`VO + U` を押下すると、ローターと呼ばれるメニューが表示されます。 +このメニューでは、現在フォーカスされているウィンドウ内にある要素のリストが表示されます。 +例えば、Webページを表示したGoogle Chromeがフォーカスされている状態でローター・メニューを開くと、リンク、見出し、フォーム・コントロール、表、ランドマークなどの項目が、そのページに含まれているものに応じて表示されます。 + +これらの項目のうちどの項目のリストを表示するかは、左右矢印キーで切り替えることができます。 +リストを表示したい項目を選んだら、上下矢印キーでその項目のリスト内を移動します。 +リスト内の項目上でEnterキーを押すと、その項目にフォーカスが移動します。 + +知っておきたいキー操作 +====================== + +:kbd:`VO + A` + 現在VoiceOverカーソルがある箇所以降を読み上げる +:kbd:`VO + Shift + F4` + VoiceOverカーソルをキーボード・フォーカスの位置に移動 +:kbd:`VO + Command + F4` + キーボード・フォーカスをVoiceOverカーソルの位置に移動 +:kbd:`VO + Shift + F5` + VoiceOverカーソルをマウス・ポインターの位置に移動 +:kbd:`Ctrl` + 読み上げの一時停止、再度押下で再開 +:kbd:`VO + K` + キーボード・ヘルプ(1度押下するとヘルプ・モードに入り、再度押下するとヘルプ・モードから抜ける。ヘルプ・モードでは、押下したキーの名称や役割が読み上げられる。) + +参考情報 +======== + +ここで紹介した内容は、VoiceOverの機能のごく一部です。 +より詳しい使い方や、VoiceOverの機能については、以下の情報を参照してください。 + +* `Mac用VoiceOverユーザガイド `_ + +なお、このガイドには :kbd:`VO + H` の押下で表示されるヘルプ・メニューからもアクセスできます。 + +*********************** +Webコンテンツのチェック +*********************** + +ここでは、Webコンテンツのチェックを実施する場合の基本的な考え方やよく実行する操作について説明します。 + +Webコンテンツのチェックをする場合、基本的にはVoiceOverカーソルですべての情報にアクセスできることを確認することが必要です。 +:kbd:`VO + →` で読み進め、 :kbd:`VO + ←` で戻って読むというのが基本的な操作です。 + +これらのキー操作で進む/戻る長さは、概ね段落単位です。 +リンクが含まれているテキストの場合は、リンク部分が1つのまとまりとして扱われます。 +また、使用されているHTMLの要素によって、読み進む際の単位が変わることがあります。 +:kbd:`VO + →` で読み進んだ際に、読み上げがテキストの途中で止まってしまっても、再度 :kbd:`VO + →` の押下で続きが読み上げられれば問題ありません。 + +:kbd:`VO + F3` を押下すると、直前に読み上げられた内容を再度読み上げさせることができます。 +(正確には、この操作はVoiceOverカーソルが現在ある項目を説明させる操作です。) + +まとまったコンテンツを読み上げさせる +==================================== + +:kbd:`VO + A` を押下すると、現在VoiceOverカーソルがある箇所以降を読み上げさせることができます。 + +設定によっては、マウス・ポインターの位置に自動的にVoiceOverカーソルが移動しますが、そのような設定になっていない場合は、 :kbd:`VO + Shift + F5` キーを押下することで、VoiceOverカーソルをマウス・ポインターの位置に移動することができます。 +この方法と、 :kbd:`VO + →` や :kbd:`VO + ←` でVoiceOverカーソルを目的の箇所に移動した上で、 :kbd:`VO + A` を押下することで、特定の箇所の読み上げを確認することができます。 + +また、 :kbd:`VO + Shift + Home` (ラップトップ機では :kbd:`VO + Shift + FN + ←` )で、VoiceOverカーソルをページの先頭に移動することができます。 +この操作と :kbd:`VO + A` を組み合わせることで、ページ全体を読み上げさせることができます。 + +途中で読み上げを停止したい場合は、 :kbd:`Ctrl` キーを押下します。 +:kbd:`Ctrl` キーを押下して読み上げを一時停止してから、他の操作をなにもしていない状態の場合は、再度 :kbd:`Ctrl` キーを押下することで読み上げを再開することができます。 +または、再度 :kbd:`VO + A` を押下して、続きを読み上げさせることもできます。 + +操作を受け付けるコンポーネント +============================== + +開閉できるメニュー、アコーディオンなど、何らかの操作を受け付けるコンポーネントについては、キーボードで操作ができることを確認する必要があります。 + +具体的には、VoiceOverカーソルとキーボード・フォーカスをそのコンポーネント上に移動し、そのコンポーネント上でキー操作を実行してみます。 + +初期設定ではVoiceOverカーソルとキーボード・フォーカスは連動するようになっていますが、そのような設定になっていない場合は、以下のいずれかの操作でVoiceOverカーソルとキーボード・フォーカスを目的のコンポーネント上に移動させます。 + +* キーボード・フォーカスを目的のコンポーネント上に移動させてから、 :kbd:`VO + Shift + F4` を押下 +* VoiceOverカーソルを目的のコンポーネント上に移動させてから、 :kbd:`VO + Command + F4` を押下 + +キー操作をする際は、カーソルキーや :kbd:`Enter` キー、 :kbd:`Spc` キー、 :kbd:`Esc` キーなどを :kbd:`VO` キーとは組み合わせずに押下して挙動を確認します。 +その結果として新たなコンテンツが表示された場合は、そのコンテンツをVoiceOverカーソルで読み上げ可能なことを確認します。 + +移動のための様々なキー操作 +========================== + +VoiceOver起動中は、以下に挙げるようなキー操作でコンテンツ内を移動することができます。 + +.. list-table:: VoiceOverで使用できるキー操作(抜粋) + :header-rows: 1 + + * - キー操作 + - 説明 + * - :kbd:`VO + Command + H` 、 :kbd:`Shift + VO + Command + H` + - 次、前の見出し + * - :kbd:`VO + Command + X` 、 :kbd:`Shift + VO + Command + X` + - 次、前のリスト ( ``ul`` 、 ``ol`` 、 ``dl`` 要素) + * - :kbd:`VO + Command + G` 、 :kbd:`Shift + VO + Command + G` + - 次、前の画像 + * - :kbd:`VO + Command + J` 、 :kbd:`Shift + VO + Command + J` + - 次、前のフォーム・コントロール + * - :kbd:`VO + Command + T` 、 :kbd:`Shift + VO + Command + T` + - 次、前の表 diff --git a/source/explanations/screen-reader-check-nvda.rst b/source/explanations/screen-reader-check-nvda.rst index 4addde5f..42f528af 100644 --- a/source/explanations/screen-reader-check-nvda.rst +++ b/source/explanations/screen-reader-check-nvda.rst @@ -6,7 +6,7 @@ NVDAを用いたチェックの実施方法 Windows用スクリーン・リーダーのNVDAの初期設定の方法と、基本的な使い方について記します。 -なお、本稿のキー操作の説明では、 :kbd:`NVDA + X` のような表記をしていますが、これは :ref:`nvda-welcome-screen` の項で説明する「NVDA制御キー」を押しながら :kbd:`X` を押すことを意味します。 +なお、本稿のキー操作の説明では、 :kbd:`NVDA + N` のような表記をしていますが、これは :ref:`nvda-welcome-screen` の項で説明する「NVDA制御キー」を押しながら :kbd:`N` を押すことを意味します。 ******** 標準環境 @@ -14,10 +14,12 @@ Windows用スクリーン・リーダーのNVDAの初期設定の方法と、基 freeeでは、スクリーン・リーダーを用いて行う必要があるチェックについては、Windows上でNVDAとGoogle Chromeのそれぞれ最新版で実施することにしています。 -macOSではなくWindowsを採用しているのは、日本においてはスクリーン・リーダーを利用している視覚障害者のほとんどがWindowsを利用していると考えられるためです。 +macOSではなくWindowsを採用しているのは、日本においてはスクリーン・リーダーを利用している視覚障害者のほとんどがWindowsを利用していると考えられるためです。 [#]_ NVDAを採用しているのは、WAI-ARIAなどの最新のWeb技術への対応が最も進んでいるスクリーン・リーダーであると考えられるためです。 Google Chromeを採用しているのは、freeeでは最新版のGoogle Chromeを推奨環境としているためです。 +.. [#] `第3回支援技術利用状況調査報告書 `_ + ******** 事前準備 ******** @@ -53,7 +55,7 @@ NVDAが起動すると、いろいろな挙動が普段と異なった状態に NVDAの初回起動時には、「ようこそ画面」が表示されます。 .. image:: /img/nvda-welcome.png - :alt: NVDAの「ようこそ画面」のスクリーン・ショット + :alt: スクリーン・ショット:NVDAの「ようこそ画面」 以下を参考に、必要な設定をすると良いでしょう。 @@ -101,7 +103,7 @@ NVDAには、ようこそ画面で設定できる項目以外にも、設定画 「設定」画面では、左側に設定カテゴリーが表示され、右側に選択中のカテゴリーの設定項目が表示されます。 .. image:: /img/nvda-settings-general.png - :alt: NVDA設定画面のスクリーン・ショット(「一般」を選択) + :alt: スクリーン・ショット:NVDA設定画面(「一般」を選択) 以下、最初にしておくと良い設定について、カテゴリーごとに記します。 @@ -118,7 +120,7 @@ NVDAには、ようこそ画面で設定できる項目以外にも、設定画 .. image:: /img/nvda-settings-speech.png - :alt: NVDA設定画面のスクリーン・ショット(「音声」を選択) + :alt: スクリーン・ショット:NVDA設定画面(「音声」を選択) 「音声エンジン」が、「Windows OneCore音声」になっていることを確認します。 @@ -135,7 +137,7 @@ NVDAには、ようこそ画面で設定できる項目以外にも、設定画 -------- .. image:: /img/nvda-settings-vision.png - :alt: NVDA設定画面のスクリーン・ショット(「ビジョン」を選択) + :alt: スクリーン・ショット:NVDA設定画面(「ビジョン」を選択) 「ハイライトあり」、「フォーカスをハイライト」、「ナビゲーターオブジェクトをハイライト」、「ブラウズモードのカーソルをハイライト」をチェックします。 これらをチェックすることで、現在読み上げられている箇所を可視化することができます。 @@ -144,7 +146,7 @@ NVDAには、ようこそ画面で設定できる項目以外にも、設定画 -------------- .. image:: /img/nvda-settings-browse_mode.png - :alt: NVDA設定画面のスクリーン・ショット(「ブラウズモード」を選択) + :alt: スクリーン・ショット:NVDA設定画面(「ブラウズモード」を選択) 「サポートされている場合画面レイアウトを使用」のチェックを外します。 この項目がチェックされている場合、ブラウズ・モードでの読み上げ時に画面上の1行分のテキストがまとめて読み上げられます。 @@ -161,7 +163,7 @@ NVDAには、ようこそ画面で設定できる項目以外にも、設定画 ------ .. image:: /img/nvda-settings-mouse.png - :alt: NVDA設定画面のスクリーン・ショット(「マウス」を選択) + :alt: スクリーン・ショット:NVDA設定画面(「マウス」を選択) 「マウスカーソル位置のテキストの報告」のチェックを外します。 @@ -190,7 +192,7 @@ NVDAには、ようこそ画面で設定できる項目以外にも、設定画 4. 日本語しかインストールされていない場合は、「音声を追加」をクリックして、「英語 (米国)」を追加 .. image:: /img/win10-settings-speech-recognition.png - :alt: Windows 10の音声認識の設定画面のスクリーン・ショット + :alt: スクリーン・ショット:Windows 10の音声認識の設定画面 一般的なチェックの場合、「英語 (米国)」を追加すれば、NVDAは意図した挙動になります。 英語と日本語以外の言語が使われているサイトをチェックする場合は、その言語も合わせて追加すると良いでしょう。 @@ -235,7 +237,7 @@ NVDAには「フォーカス・モード」と「ブラウズ・モード」と フォーカス・モードは通常の動作モードであるのに対して、ブラウズ・モードは主にWeb閲覧時だけに利用できるモードです。 -Webブラウザーのコンテンツ表示領域にフォーカスがある場合など、ブラウズ・モードが利用できるときには、 :kbd:`NVDA + スペース` で2つのモードを切り替えることができます。 +Webブラウザーのコンテンツ表示領域にフォーカスがある場合など、ブラウズ・モードが利用できるときには、 :kbd:`NVDA + Spc` で2つのモードを切り替えることができます。 Web閲覧時は、通常はブラウズ・モードでコンテンツを確認し、フォーム入力時などにフォーカス・モードに切り替えるというのが一般的な使い方です。 ただし、アプリケーションのような振る舞いをするWebコンテンツにおいては、主にフォーカス・モードで操作することもあります。 @@ -272,9 +274,9 @@ JAWSでは、「仮想PCカーソル」がブラウズ・モード、「フォ 前述の設定画面での音声設定を一時的に変更したい場合などに、設定画面を開かずに設定変更を行う方法があります。 使用するのは、:kbd:`NVDA + Ctrl` と上下左右の矢印キーです。 -:kbd:`NVDA + Ctrl + 左矢印` または :kbd:`NVDA + Ctrl + 右矢印` を押下すると、「高さ50」のように、設定対象の項目名と現在の設定値が読み上げられます。 +:kbd:`NVDA + Ctrl + ←` または :kbd:`NVDA + Ctrl + →` を押下すると、「高さ50」のように、設定対象の項目名と現在の設定値が読み上げられます。 目的の設定項目が読み上げられるまで、このいずれかのキー操作を続けます。 -目的の設定項目が読み上げられたら、 :kbd:`NVDA + Ctrl + 上矢印` または :kbd:`NVDA + Ctrl + 下矢印` キーで設定値を調整します。 +目的の設定項目が読み上げられたら、 :kbd:`NVDA + Ctrl + ↑` または :kbd:`NVDA + Ctrl + ↓` キーで設定値を調整します。 その他 ------ @@ -334,12 +336,12 @@ Webコンテンツのチェック Webコンテンツのチェックをする場合、基本的にはブラウズ・モードですべての情報にアクセスできることを確認することが必要です。 -ブラウズ・モードでは、下矢印キーで読み進め、上矢印キーで戻って読むというのが基本的な操作です。 +ブラウズ・モードでは、 :kbd:`↓` キーで読み進め、 :kbd:`↑` キーで戻って読むというのが基本的な操作です。 上下の矢印キーで進む/戻る長さは、概ねHTMLソースの要素単位です。 途中にリンクや ``span`` 要素でマークアップされた部分がないような段落であれば、 ``p`` 要素が1つのまとまりとして扱われます。 一方、リンクがあればリンク部分が1つのまとまり、 ``span`` 要素があればその部分が1つのまとまりとして扱われ、上下矢印キーによる移動の単位になります。 -:kbd:`NVDA + 上矢印` を押下すると、直前に読み上げられた内容を再度読み上げさせることができます。 +:kbd:`NVDA + ↑` を押下すると、直前に読み上げられた内容を再度読み上げさせることができます。 (正確には、この操作はカーソルが現在ある行を読み上げさせる操作です。) なお、左右の矢印キーは1文字単位の読み上げのために使います。 @@ -350,7 +352,7 @@ Webコンテンツのチェックをする場合、基本的にはブラウズ 以下の手順で、ページ全体を読み上げさせることができます。 1. :kbd:`Ctrl + Home` でページの先頭に移動 -2. :kbd:`NVDA + 下矢印` で読み上げを開始 +2. :kbd:`NVDA + ↓` で読み上げを開始 途中で読み上げを停止したい場合は、 :kbd:`Ctrl` キーを押下します。 @@ -362,10 +364,10 @@ Webコンテンツのチェックをする場合、基本的にはブラウズ 開閉できるメニュー、アコーディオンなど、何らかの操作を受け付けるコンポーネントについては、ブラウズ・モードでも操作ができることを確認する必要があります。 具体的には、ブラウズ・モードでそのコンポーネントを探し、そのコンポーネント上でキー操作を実行してみます。 -コンポーネントに対する操作のうち、 :kbd:`Enter` 、 :kbd:`スペース` 、 :kbd:`Esc` による操作はブラウズ・モードでも想定した挙動となることを確認します。 +コンポーネントに対する操作のうち、 :kbd:`Enter` 、 :kbd:`Spc` 、 :kbd:`Esc` による操作はブラウズ・モードでも想定した挙動となることを確認します。 その結果として新たなコンテンツが表示された場合は、そのコンテンツをブラウズ・モードで読み上げ可能なことを確認します。 -これら以外のキー操作については、 :kbd:`NVDA + スペース` でフォーカス・モードに切り替えた上で確認します。 +これら以外のキー操作については、 :kbd:`NVDA + Spc` でフォーカス・モードに切り替えた上で確認します。 移動のための様々なキー操作 @@ -388,5 +390,7 @@ Webコンテンツのチェックをする場合、基本的にはブラウズ - 次、前の画像 * - :kbd:`F` 、 :kbd:`Shift + F` - 次、前のフォーム・コントロール + * - :kbd:`T` 、 :kbd:`Shift + T` + - 次、前の表 これらのキー操作に加えて、 :kbd:`NVDA + F7` の押下でページ内の要素ごとのリストを表示することができ、このリストを用いて移動することも可能です。 diff --git a/source/explanations/screen-reader-check.rst b/source/explanations/screen-reader-check.rst index c5e5e939..e8cfdaa2 100644 --- a/source/explanations/screen-reader-check.rst +++ b/source/explanations/screen-reader-check.rst @@ -8,5 +8,6 @@ :titlesonly: screen-reader-check-nvda + screen-reader-check-macos-voiceover screen-reader-check-ios-voiceover screen-reader-check-android-talkback diff --git a/source/img/macvo-util-commander-quicknav.png b/source/img/macvo-util-commander-quicknav.png new file mode 100644 index 00000000..858592d9 Binary files /dev/null and b/source/img/macvo-util-commander-quicknav.png differ diff --git a/source/img/macvo-util-commander-trackpad.png b/source/img/macvo-util-commander-trackpad.png new file mode 100644 index 00000000..84146b86 Binary files /dev/null and b/source/img/macvo-util-commander-trackpad.png differ diff --git a/source/img/macvo-util-general.png b/source/img/macvo-util-general.png new file mode 100644 index 00000000..71802b73 Binary files /dev/null and b/source/img/macvo-util-general.png differ diff --git a/source/img/macvo-util-visual.png b/source/img/macvo-util-visual.png new file mode 100644 index 00000000..c3843e6b Binary files /dev/null and b/source/img/macvo-util-visual.png differ diff --git a/source/img/macvo-welcome-dialog.png b/source/img/macvo-welcome-dialog.png new file mode 100644 index 00000000..d0bf95de Binary files /dev/null and b/source/img/macvo-welcome-dialog.png differ diff --git a/tools/yaml2rst/yaml2rst.py b/tools/yaml2rst/yaml2rst.py index 654157c6..1cb3bc65 100644 --- a/tools/yaml2rst/yaml2rst.py +++ b/tools/yaml2rst/yaml2rst.py @@ -34,6 +34,7 @@ # Values which needs to be changed if there are some changes in the checklist/item structure: CHECK_TOOLS = { 'nvda': 'NVDA', + 'macos-vo': 'macOS VoiceOver', 'axe': 'axe DevTools', 'ios-vo': 'iOS VoiceOver', 'android-tb': 'Android TalkBack',